2015年11月14日土曜日

ウメモドキ

和名:ウメモドキ

別名:オオバウメモドキ

学名:Ilex serrata Thunb.

科名:モチノキ科(新エングラー、APGⅢ)

観賞期:秋から冬(果実)

園内植栽場所:秋のゾーン(H-2,G-3)

雌雄異株の落葉低木。5~6月頃に開花し、果実は9月頃より赤く色づく。


<担当者雑感>
 落葉後も果実が残るようではあるが当園では野鳥が食べてしまいあまり残らない年が多い。
ウメモドキの果実


ウメモドキ(H-2,G-3)

イロハモミジ


和名:イロハモミジ

学名:Acer palmatum Thunb.

別名:イロハカエデ、タカオモミジ、モミジ

科名:カエデ科(新エングラー)、ムクロジ科(APGⅢ)

観賞期:秋(紅葉11月上中旬)

園内植栽場所:秋のゾーン(G-3,H-3,I-3,I-4)

落葉高木で葉に深い切れ込みが入り、5~7つに裂ける。和名の由来は「いろは歌」で葉の切れ込みを数えたことによる。宇治市の「市の木」。

<担当者雑感>
 紅葉だけではなく春の芽吹きが鮮やかできれい。芽吹きのころによく見ると小さな赤い花を咲かせているので花にも注目してもらいたい。夏には竹とんぼのような翼をつけた種子を付け、秋から冬にかけて風に乗っていろいろな場所に飛び、春になると思わぬところからも発芽する。
 枝の先端につける冬芽がシカの蹄のようにも見えるのも面白い。
 葉は様々な毛虫、イモ虫、うどんこ病がつき、枝や幹にはカミキリムシの幼虫が入り込み枝を枯らすことがあるのが難点。

イロハモミジの紅葉
痛んだ木材の隙間から発芽するイロハモミジ
虫食い穴から発芽したイロハモミジ

イロハモミジの種子

イロハモミジの新緑

イロハモミジ(G-3,H-3,I-3,I-4)

2015年11月11日水曜日

ソヨゴ

和名:ソヨゴ

学名:Ilex pedunculosa Miq.

科名:モチノキ科(新エングラー、APGⅢ)

観賞期:秋(果実)

園内植栽場所:秋のゾーンなど(H-4、C-1など)

常緑高木。葉の縁がうねる傾向がある。花は白く、秋になると赤い果実をつける。

<担当者雑感>
葉の縁が風にそよそよとそよいでいるように見えるからソヨゴと覚えると良いと教わった。
樹木としては寿命が短いのか園内では直径が30㎝を超える株は少ないように感じる(植栽以外の自然生えも含めて)。場合によっては直径が20㎝ぐらいから樹勢が弱り枯れることがあるが株立ちになっていることも多いので完全になくなることはない。

ソヨゴの果実とうねる葉

ソヨゴ(H-4、C-1など)

2015年11月8日日曜日

ホトトギス

和名:ホトトギス

学名:Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.

科名:ユリ科(新エングラー、APGⅢ)

観賞期:秋(10~11月) (花)

園内植栽場所:秋のゾーン(H-3)

湿り気のある山林や崖などの半日陰に自生する。春に芽を出し、秋に花を咲かせ、冬は地上部が枯れる。
花の模様が野鳥のホトトギスの胸毛に似ていることからこの和名がついたといわれている。

<担当者雑感>
 イロハモミジの陰になる場所に植栽し、春の芽出し肥、花後にお礼肥と地上部が枯れた冬にバーク堆肥などでマルチングをするだけで毎年開花している。ちょっとした環境の違いか園路から離れて少しずつ奥に移動しているような気がする。

ホトトギスの花
ホトトギスの芽吹き

野鳥のホトトギス

植栽場所(H-3)

コムラサキ

和名:コムラサキ

学名:Callicarpa dichotoma K.Koch

科名:クマツヅラ科(新エングラー)、シソ科(APGⅢ)

観賞期:秋(果実)

園内植栽場所:秋のゾーン(H-3)

ムラサキシキブと違い、葉の付け根(葉腋)から少し上部に集散花序(花のついた枝)を出す。

<担当者雑感>
日当たりの良い場所が実付きがよい。大きく育てないのであれば冬の落葉期に地際で剪定をすると春に株元から新しい枝を伸ばし仕立てが楽に出来る。夏から秋にかけて葉を食べる虫がいるので注意が必要。

コムラサキの果実
コムラサキ(H-3)

ツリフネソウ

和名:ツリフネソウ

学名:Impatiens textorii Miq.

科名:ツリフネソウ科

観賞期:晩夏(9月)から秋(10月頃) (花)

園内植栽場所:秋のゾーン(H-3,H-4)

半日陰の湿った場所に生える一年草(春に発芽し冬に枯死する)。花が帆掛け船を吊り下げたように見えることからこの名前がついた。
属名のImpatiensはラテン語で「我慢できない」などの意味があり、熟した果実に触れると勢いよく種子をまき散らすことからきている。

<担当者雑感>
 繁殖力が強く、小川の上流で栽培していると翌年には下流に生息区域を増やす少し厄介な存在。また、水中でも発芽し、流れの中央にも株が生育することもある。


ツリフネソウの花

ツリフネソウの花

植栽場所(H-3、H-4)

コナラ

和名:コナラ

学名:Quercus serrata Thunb.

科名:ブナ科(新エングラー、APGⅢ)

観賞期:秋(果実、紅葉)

園内植栽場所:秋のゾーン(H-2,H-3,I-3など)

コナラの種子(どんぐり)は春に花を咲かせ、その年の秋に実る1年成。秋には紅葉し、冬に落葉する。

<担当者雑感>
 どんぐりは成り不成りがあるようで、今年(2015年)は多く実ったようで園路にたくさん落ちていた。 園内の他のどんぐりと比べると早めにどんぐりができて落ちている。
 春の柔らかな緑色の芽吹きと秋の紅葉(黄葉)がとても美しい。
 近年、カシノナガキクイムシの被害があるため、幹に虫の侵入を防ぐためのビニールを巻いているが完全には防除はできていない。

コナラのどんぐりと殻斗(かくと)


コナラの秋の紅葉(黄葉)

植栽場所(H-2,H-3,I-3など

シクラメン ヘデリフォリウム

和名:ハミズシクラメン(YList)

学名:Cyclamen hederifolium Ait.

科名:サクラソウ科(新エングラー、APGⅢ)

観賞期:秋(花)

園内植栽場所:カナールの階段脇(春のゾーン上側)(E-4)

花は葉のない晩夏から秋に咲く。塊茎は扁平。
<担当者雑感>
シクラメン コウムと同じく関西で育てやすい原種シクラメン。排水をよくした場所に植えることで花後のお礼肥程度でこれといった作業は行っていない。シクラメン コウムなどとは違い花の時期は葉がないので花が目立つような目立たないような気がする。

ハミズシクラメン

ハミズシクラメン(花後の状態)
シクラメン ヘデリフォリウム(E-4)

2015年10月25日日曜日

ヒトツバタゴ

和名:ヒトツバタゴ

別名:ナンジャモンジャ

学名:Chionanthus retusus Lindl. et Paxt.

科名:モクセイ科(新エングラー、APGⅢ)

観賞期:春(5月上旬、花)、秋(10~11月)(果実、紅葉)

園内植栽場所:春のゾーン(C-5など)

花は木に雪が降り積もったように全体に咲かせる。秋には紫黒色に熟した果実をつけ、葉は黄色く色づく。属名はギリシャ語chion(雪の意)とanthos(花の意)に由来し、白い花を雪にたとえたものである。

<担当者雑感>
 日当たりのよい場所は花付きがよく、周りに高い木があり半日陰の場所では花付きが悪い。病害虫はほどんとなく、生育が遅めのためか手はあまりかからない樹種のように感じる。
 花が注目されがちではあるが秋の青空をバックに黄色く色づいた黄葉も美しい。

ヒトツバタゴ(春の花)

ヒトツバタゴ(秋の果実)
ヒトツバタゴ(秋の黄葉)



ヒトツバタゴ(C-5など)